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日本再生ニュース (ID:10233)
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[日本再生ニュース No.176 2008/06/17]
 
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                    平成20年 6月 17日

     テーマ:人権弾圧に目を閉ざす五輪協力は御免だ

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                       日本政策研究センター
          月刊「明日への選択」6月号 今月の主張より
                          日本政策研究センター所長  伊藤哲夫


  四川大地震による被害により、マスコミ上ではチベット問題はもう
 ほとんど終わってしまったかのような雰囲気になっている。
 「これはチャンス」と、政府内にはオリンピック開会式への皇太子殿
 下のご出席を改めて画策する動きが、またぞろ浮上しつつあるという。
 確かなことはわからないが、とんでもない話だ。
 確かに四川大地震は同情に値する事件だ。しかし、それにより、こ
 れまで問われてきた中国という国の非人間的な体質がどこか変わり
 でもしたのだろうか。
 チベットとウイグルの現実については、本誌でもテンジン・テトン氏
 とドルクン・エイサ氏のインタビュー記事(『明日への選択』6月号。
 6月1日発売)を掲載しているのでそちらをお読みいただきたいが、
 中国本体での人権抑圧の現状も尋常な話ではない。その暴虐に眼をつ
 ぶり、一体どんな顔で開会式にご出席いただくというのだろう。正直
 いって、そんなことを画策する関係者の神経といったものがわからな
 い。

  この4月、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、毎年
 恒例の中国の人権に関する年次報告書を公表した。早速その日本語訳を
 手に入れて読んでみたが、その冒頭には以下のような一節があった。
 「現在起こっている弾圧の波の多くは、オリンピックにもかかわらず
 起こっているのではなく、実際にはオリンピックによって引き起こされ
 ているということがますます明らかになっている」
  むろん、中国の人権問題は共産党政権誕生以来の本質的問題でもある
 が、最近の特徴はむしろオリンピックをにらみ、社会を「浄化」し、世界
 に中国の「安定」と「調和」をショーアップすることを目的としているこ
 とに、その特徴があるという。つまり、「オリンピックの安全」という尤
 もらしい名分により、人権活動家や政府批判分子の逮捕や弾圧が進められ、
 また政府の暴虐的な手段が正当化されているというのだ。
  報告書はそうした事例の多くを紹介するのだが、ここでは楊春林という
 人権活動家のことを紹介してみたい。というのも、彼は単に「オリンピッ
 クではなく人権がほしい」との横断幕を掲げ、署名運動の先頭に立ったと
 い うだけで、何と「国家転覆扇動罪」に問われ、5年の刑を言い渡され
 たとさ れるからだ。彼は裁判中、「国家機密」に関わるという理由で弁
 護人をつけることも許されず、取調中には警察官の拷問も受けたという。
 のみならず、逮捕当初、彼は手足を伸ばされて鉄のベッドの四隅に鎖でつ
 ながれ、動くことが全くできない状態にされたともいう。 
  ちなみにいえば、彼は開発と称して地元政府から一方的に耕地を奪われる
 農民に同情し、彼らとともに戦ってきた弁護士である(アルミ工場をリスト
 ラされ、その後法律を独学で学んだ)。活動の場としたのは黒竜江省だが、
 零下30度まで冷え込む冬場も徒歩で農民の所に出向き、彼らを支援したと
 いう。以下は判決の日のことを報じる朝日の記事だ。
  「判決公判。被告席の楊氏は手錠と足かせをはめられ、振り返ることすら
 許されなかった。有罪に『中国に民主はない』と嘆いた楊氏は退廷時、両手
 でドアをつかみ、『息子にしっかり勉強するよう伝えてくれ』と叫んだ。
 傍聴 席の長男に気づいていなかった。係官がスタンガンを楊氏につきつけ
 て言葉 をさえぎる。妻子は泣き崩れた」
  死屍累々という言葉があるが、筆者は北京オリンピックについて考える度
 に、決して大袈裟ではなく、この言葉を思い出す。それを開催するまでにな
 った中国の大国化の陰で実行されてきたかかる人権弾圧の数々が思い浮かぶ
 からだ。それに眼を閉ざした中国との交流・・・そして何よりもオリンピッ
 クへの賛辞・・・などというものは、実はそれに手を貸すたぐいの犯罪にも
 等しい行為ではないか。そう思えてならない。
  ドイツの法学者マルティン・クリーレは、人間にとっての最も根源的な基
 本権は「恣意的な逮捕からの自由」であるという。「この権利がなければ人
 は常に脅かされ、精神的・政治的・宗教的もしくはその他一切の表現・行動
 は身体の自由を犠牲にしなければならず、人は不安の念に駆られて口を閉ざ
 すだろうから」と彼はいうからだ。とすれば、オリンピックはかかる基本権
 の否定の上に立つ記念塔でもあるのではないか。
  そんなものに協力することが両国民の「友好」である筈がない。

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    『明日への選択』最新号目次
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 ―interview―
 ☆チベット騒乱・チベット人はなぜ起ち上がったのか
  テンジン・テトン(元チベット亡命政府主席大臣兼外務大臣)
  ・「我慢に我慢を重ねてきたものが爆発した」―。
 1950年のチベット侵略以来、チベット人は中国によって弾圧され続
 けてきた。その歴史を踏まえないと、今回の騒動も理解できない。

 ☆ウイグル弾圧はここまで来ている
  ドルクン・エイサ(世界ウイグル会議事務局長)
 ・中国共産党は、ウイグル文化やウイグル民族そのものを完全に抹殺しよう
  としている。
  ウイグル民族が地球から消え去らないよう、世界にウイグル問題を知らせたい。

 ☆幼児教育が日本を変える
  小山昭雄(湘南やまゆり学園理事長)
  ・幼児に刺激を与えて潜在力を引き出せば、子供はこんなに立派に育つ。
   幼稚園は子供を預けてお母さんが楽をする場所ではない。

 ―opinion―
 伊藤哲夫☆人権弾圧に目を閉ざす五輪協力は御免だ
 岡田邦宏☆長野で見た「中国人留学生」の衝撃
  ・不法就労・スパイ疑惑、犯罪・・・もう一つの「外国人問題」が登場
   しつつある。
 小坂実☆住民投票という「劇薬」にどう対処するか
 新井大智☆ごはんもう一杯で自給率は8%上がる
  ・「食料自給率39%」をどうするのか(5)
 伊藤哲夫☆地方経済は環境問題で活性化できる
  ・環境問題への取り組みが求める「地産地消・地域自給」の社会モデル
   の実現は、地域の持ち味である「自然・風土・環境」を最大限に生か
   しつつ、「新たな経済循環」を創造する絶好のチャンスだ。

 ―history―
 岡田幹彦☆有馬良橘
  第3回 日露戦争勝利に貢献

 ―maxim―
 村山實☆吾づくりの人間学
  第35回 身の処し方 −六然−

 ―column―
 ☆一刀論断
  私の長野戦記
  ・「怒れる中国人」にどう対処するか
  三輪和雄(日本世論の会会長)
 ☆日本人の知らない中国(10)
  四川大地震−天災よりも深刻な人災
 ☆世相クローズアップ
  「モンスターほいほい」を持ってこい!
 ☆知っておいてためになる話
  ・海上保安庁・総合訓練を見る
  ・「力の後盾」なくして日本の海は守れない

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●「明日への選択」ご案内(日本政策研究センター)
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