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古代幻想視(第一部)−海を渡って来た倭王 (ID:10333)
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魏志倭人伝に記された謎の日本の古代という時代。邪馬台国とは?天孫降臨とは?
出雲神話とは?神武東征とは?この物語は、史実を元に空想で描かれたフィクショ
ンです。想像をたくましく、お読みください!  
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発行部数の推移 過去10号分
発行回数発行日時発行部数発行部数の推移 ( 右端は100部 )
第114号 2005/04/21 21:16:0991
 
第115号 2005/04/28 20:59:4887
 
第116号 2005/05/12 21:05:1188
 
第117号 2005/05/19 22:01:2588
 
第118号 2005/05/26 23:54:5690
 
第119号 2005/11/30 23:01:1184
 
第120号 2006/05/31 18:00:0177
 
第121号 2006/11/30 16:29:5570
 
第122号 2007/05/31 17:27:1163
 
第123号 2007/11/29 22:59:1260
 
 
バックナンバー 最新号
第123号 2007/11/29 22:59:12 発行
 
[古代幻想視(第一部)−海を渡って来た倭王 No.123 2007/11/29]
 
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                         2007.11.29
   古代幻想視(第一部)−海を渡って来た倭王   第1号

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読者の皆様 

お待たせして、たいへん申し訳ありません。
諸事情により、執筆、配信が滞っております。

そこで、この物語も、数えて117号と長編となっていることも
あり、第1号から、再度配信させていただきたいと思います。

月に1・2回程度のペースで配信させていただく所存です。

楽しみにされている皆様には、本当に申し訳なく思っております。
物語の始めからから、お楽しみいただければ幸いです。
   
なお、再発行に伴い、加筆、修正する場合もあるかと存じますが、
何卒、ご了承いただきたくお願い申し上げます。 
                      秋津 邦彦

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波紋

五丈原に涼やかな秋風が吹いていた。司馬仲達は、目を細めて何
事もなかったかのような野の光景を眺めていた。「長かった。」ような
気もするし、「信じられぬ。」というような心持ちであった。ときおり、背
筋に冷たいものを感じる。
「あの男が、どこかで我らの様子を窺っているのではないか。」
ふと、そんな錯覚に陥る瞬間がある。仲達にとって、いや魏一国にと
っても最大の脅威であった諸葛孔明の死は俄かに信じ難いことであ
った。だが、よもや嘘でもあるまい。蜀軍が去るにあたって、「白の弔
旗、黒の喪旗を立て並べ、一台の蓋霊車を崇め、人々の嘆き悲しむ
声が、夜明けまで絶えなかった。」という付近の百姓の目撃談を聞く
に及び、孔明の死は、動かざる事実と悟った。
今、仲達はその蜀軍の陣跡に佇んでいた。
「何もかもが理に適っている。」
仲達は、嘆息した。
「敵うわけがない・・・。」
半ば呆れて、その陣跡を見回った。と、ともに大きな寂寥感に襲われ
た。
「あのような人が、再び地上に現れるようなことはないのではないか。」
安堵感が、大きな失望感に変わっていった。

 ともかく、西方の脅威は去ったというのが仲達の偽らざる心境であっ
た。
 「だが、孔明の遺風が残っている。」という危惧もあった。蜀に対する
防衛は、魏にとって最重要課題であると仲達には思えてならなかった。
「呉は、単独で動くことはあるまい。」という思いが、仲達を陝西に留め
させた。と、同時に魏朝に対して疎ましい思いもあった。
 「息が詰まる。」と、いう思いもあった。魏都洛陽には、居たくなかった。
曹操以来の重臣である彼も、古狸と疎まれていた節がある。機敏に察
した仲達は、以前にも都を離れて任地に赴いたために、却って蜀軍の
姦計に陥り、その職を退かされたことがある。
仲達の魏朝に対する思いはともかく、呉に対する印象は誰もが一致し
ていた。呉は進んで戦を起こそうとは思っていない。江南の広大な土
地に拠って満足している。蜀との同盟上、仕方なく軍を動かしているの
にすぎない。魏をして蜀に、蜀をして魏に牙を立たせて双方が疲弊す
るのを善しとし、隙に乗じて有利な方につこうとしているという認識が蜀
朝にも魏朝にもあった。揚子江という自然の要害に身の安全を托し、
のうのうとしていると。かの「赤壁の戦い」という呉にとっての防衛戦で、
魏を撃破した呉は、以来、魏が攻めてきても恐くないという自信めいた
ものもあったのだろう。

孔明の死は、中華の情勢に動揺をきたした。
「なんとした事か・・・。」
南満州を領有していた軍閥の公孫淵は、愕然とした。魏の東方に接す
るこの領土は、魏にとっては目の上の瘤という存在であった。公孫氏に
とっては、魏に服するべきか、呉や蜀と連携して魏を撃つかという宿題
を積年抱えていた。西方の脅威が失せた魏にとっても長年、邪魔な存
在であった公孫氏を撃つ機会を得たと言ってもいいだろう。
「必ず、襲ってくる。」
公孫淵は、慄然とした。「手を打たねばなるまい。」魏の方針は、歴然と
している。漢の世を覆し、取って代わることだ。魏に服することは、今や
公孫氏の滅亡を意味している。微力とはいえ、蜀は、漢の世を再興する
ために魏と対峙してきた。その蜀の頼みの綱である孔明が逝ってしまっ
た今、魏の拡大方針もはっきりしてくる。蜀は、関中という天険の要塞に
かこまれた奥座敷に逼塞している。慌てずとも孔明なき今となっては、
蜀を倒すことは、苦もないことだ。
「魏にとって何よりも優先するのは、我らを滅ぼすことだ。」
公孫淵は、先年、呉の孫権と結ぶことに迷っていた。一時は講和し、燕
王の称号を与えられていた。しかし、公孫淵にとっては不服であった。
「孫権ごときに・・・。」という思いもあった。公孫氏は、後漢末、董卓が漢
の天子を擁し、権力の座を縦にした時、打倒董卓の旗を掲げた群雄の
中で一勢力を築き、以来、三代にわたって、遼東の支配者として君臨し
ていた。(つづく)

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☆古代幻想視(第一部)−海を渡って来た倭王☆  第1号
                            2007年11月29日発行
[著者]   秋津 邦彦
[発行者]   華父
E−Mail    adema@nifty.com
URL       http://homepage2.nifty.com/adema/index.html

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