[ フランス発の世界奇行、、、「現代の妖怪 」 No.30 2008/03/31]
フランス発の世界奇行・・・「現代の妖怪」
マガジン発行者 東郷さやか
http://perso.orange.fr/tohgoh.sayaka/
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「妖怪会話集」
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愚痴ばかり妖怪
世の中は本当に変なヤツばっかりだね。
うんざりだ!
曖昧妖怪
んあ?
愚痴ばかり妖怪
現代は嫉妬社会だというけど、本当に嫉妬深いヤツらばかりで息もつけ
ん!
曖昧妖怪
嫉妬深い人なんか、そんなにあちこちにいないだろう?
いったい何の話をしているんだか、、、。
愚痴ばかり妖怪
いるよっ!あちこちに!
この間ボクが会社でちょっと気の利いた冗談を言ったんだ。上司が感心
してボクの冗談をほめてくれたら、そうしたらどうだ!同僚がすぐにせ
せら笑ってこう言うんだ。
「君って、本当に変わってるよね〜」って!
この変わっている、って言葉はね、世界中に充満していて、悪意のある
人によって徹底的に使われているじゃないか! 変わっている、という
のは、婉曲に言ってるだけで、要するに感じが悪い、ってことなんだ!
褒め言葉じゃないんだ!
皮肉妖怪
へええ、君は上司だけじゃなくて同僚からも褒められたかった、ってわ
けかい?
曖昧妖怪
そんなにカリカリしなくたっていいだろー。
皮肉妖怪も性格が悪いなあ。
彼は褒められたい訳じゃないだろうし、それに、その同僚だって、単に
「変わっている」と素直にそう思っただけで、意地悪で言ったんじゃな
いだろー。
二人とも難しいヤツらだなあ!
愚痴ばかり妖怪
そうじゃない!みんなちょっとした事にごまかされ気味だが、世の中に
は悪意がいっぱいで、その悪意は大抵は嫉妬心から来ているんだ!
皮肉妖怪
へええ、君は悪意にばっかり関心があって、そればっかり気にするんだ
ねえ。
たいへんご苦労様!
愚痴ばかり妖怪
気にしているんじゃなくて、ボクは繊細なんだ!
なんでもすぐに、ピピピッ!と分かっちゃうんだ!
例えば、ボクが司法試験の結果を見てから会社にもどって廊下を歩いて
いたら、試験を受けていた事を知っていた同僚がこう言うんだ!
「受かったんでしょ?」って。
受かっていなかったらどうするんだ!?
意地がわるい!
落ちていても、受かっていても、嫌にボクを馬鹿にしたコメントじゃな
いかっ!
曖昧妖怪
ったく、受かったんだろうと思ったから、そう言ってきたんだろうに。
君って本当に性格がなんかこう、、、。
うん、、、。
いや、別にいいんだけどね〜。
皮肉妖怪
受かっていたなら「落ちていませんでしたよ」、落ちていたなら「あな
たのお望み通り落ちていましたよ」と笑顔で答えればいいじゃないか!
余裕のないヤツだなあ。
愚痴ばかり妖怪
余裕がないんじゃない!
ボクは悪意を我慢出来ないだけで、ボクのなかには余裕があるさ。
いいかい、都合妖怪なんか、ボクにいつも「良い人を紹介してあげる」
とか「君には本当に必要だから、その本を今度もってきてあげよう」と
か、親切そうにいろいろ言ってくるんだ。
でも、彼からご宣伝が派手だった大事な本とやらをもらったことはない
し、彼はだーれもボクに紹介しないんだ!
絶対に、絶対に、だーれも紹介して来やしない!
口だけはいかにも親切そうだけど、自分の都合でボクを友達としてそれ
となくキープしておきたいだけで、内心は自分の都合ばかりを考えてい
るんだ。いつでもその場限りのお愛想交際さ!
ヤツはボクに嫉妬していて競争心をもっているのに、それを隠してに自
分に都合のよいところでだけボクと付き合いたいからそういう応対にな
るんだっ!
不誠実なヤツだ!
いっそ何も言って来ないで無愛想な態度を見せてくれていた方がよっぽ
どいいのに!
実に胸くそが悪いっ!
曖昧妖怪
君はちょっと、そのう、、、被害妄想が凄いんじゃないのか?
それに、もしかしてもしかして、君は思い上がりもあるのかもしれない
ね。
あのねえ、周りは君が思っているよりも、君の事なんか何とも思ってい
ないんだよー。多分、君に嫉妬もしていないよ。
早くそれに気づいた方がいいよ。
そんなに愚痴っぽくて被害妄想の毎日では、君の健康にも悪いよ。
多分ね!
部屋の角で会話を聞いていたクリア妖怪
馬鹿な奴だなあ、、、。
なんでも曖昧にしておけばいいものを!
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フランス発の「素朴なメイク情報」
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もうすぐ恋の季節ですね。
パリの女性達も日差しの変化に合わせるかのように、お洒落に変化をつけていま
す!
アニエスb.(アニエスベー)の新しい「メイクアップベース」をご存知でしょう
か?
最近発売されたメイクアップのベースですが、筆者も試してみました。
言うまでもなく、メイクの決め手に大きく作用するメイクのベース。
気に入ったものが既にあっても、新製品があればすぐに何でも試してみたい筆
者が近年になく満足したヒットが、このメイクアップベース、「アニエスb. リ
スヴルール」です。
旅行のときにも邪魔にならない小振りなサイズも良いし、肌がすべすべつるつ
るになる感覚は何とも言えない感じ。
フランス製品らしい、センスの良いデザインも嬉しい新作です。
男性の方も、恋人へのプレゼントに、このメイクベース「アニエスb. リスヴ
ルール」を検討しても良いかもしれません。
ファンデーションなどと違って、色の選別の問題もありませんし、女性なら誰
でも、確実に使える化粧品をプレゼントされるのは嬉しいものです。
Le Club des Createurs de Beaute(アニエ
スb.)のサイトは各言語で存在します。
フランス語版のサイトをご覧になりたい方は下記のアドレスへ
http://www.ccbparis.fr/_fr/_fr/
日本語版で最新情報をご覧になりたい方は下記のアドレスへ
http://www.ccbparis.jp/_jp/_jp/animation/a1308/a13_lv.aspx?
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「生活珍事」
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警視庁で不思議な男性に出会ってから2週間ほどたって、筆者はある楽器店の
店長さんおよびハンサムな従業員一人と土曜日のランチを楽しんでいました。
筆者はずうずうしいので、某ある大手楽器店の店長と親しくなったのを良いこ
とに、お店で売り物のピアノを弾いてはお客さんの拍手喝采を浴びて遊んでい
ることがあるのですが、お客さんの中には筆者が弾いているピアノを「良い音
だ!」といって購入して行く人もいるようです。
楽器店の店長さんにとっては、退屈な営業の毎日?を過ごす中、時々現れては
ピアノを弾いて楽器の売り上げに貢献し、お客さんとも愛想良く話してくれる
日本女性は女神だ、と思ったのかどうか、、、。
お店の従業員の昼食に、ときどき筆者は呼ばれるようになり、筆者も遠慮なく
土曜日のお昼などにみなさんとわいわい食事を楽しむことがある、というわけ
です。
その日も、気さくなのでお客さんに人気のある店長さんと、さっぱりしていて
ハンサムな従業員さんと3人で食事をしていると、筆者の携帯電話がなりまし
た。
聞き覚えのあるような無いような男性の声で、「ボンジュール!」といわれ、
筆者はレストランの中であったので、半ばひそひそした感じで(えっと、誰だ
ろう?)と思いつつも、「ボンジュール!」と返しました。
すると男性は「この間、警視庁で知り合った者ですよ」というので、筆者は、
「ははあ、中庭でわたしに車をぶつけてきた人!」と言ってみました。
男性は、突拍子もない応対をされたので、面食らったらしく、「あ、そうそう。
えーと。そうね、僕は車で中庭に突っ込んだかな?ははは!」と言ってきまし
た。
もう14時だというのに、「ええと、君、昼ご飯はもう食べた?」というので、
「今ねえ、ハンサムな男性二人に囲まれて、楽器店の横のスペイン系のレスト
ランでお食事中です。もう14時ですから、食事は終わりそうですけど?
なんだ、警視庁でお昼を本当に奢って下さるなら、前もって言って下されば良
かったのに!わたし、絶対に警視庁の食堂を覗いてみたいわ!」と筆者が言う
と、警視庁などという不穏な?単語が会話に登場したので、食事をしていた楽
器店の男性達は、ちらっと鋭い目を筆者に向けました。
フランスは警察国家と言っても良いのですが、フランス人は大抵「警察」とい
うものが好きではないようです。
どこの国でも似たり寄ったりなのでしょうが、税務署や警視庁というのは、フ
ランスでも、特には歓迎されないもの、といった調子でしょうか。
警視庁に勤めているといっていた男性は携帯電話の向こうで、ちょっと迷った
様子です。
「ハンサムな男性と食事中」と言うのは、誘いを断っているようなものですが、
そのハンサムが二人いるんだぞ、ということになると、これまた微妙な感じが
したのかもしれません。
筆者は失礼にならないように、「後でこちらから折り返し電話しましょう。明
日のお昼過ぎに電話してもよろしいですか?」と言ってみました。
「もちろん、電話くれて構わないよ。明日ではなくて、来週でも来月でも構わ
ないよ!」と、フランス人らしい答えが返ってきました。
「それでは、明日の昼過ぎにお電話させていただきます」と言って筆者が電話
を切ると、楽器店の店長さんが「誰だい?」というので、「警視庁で知り合っ
た人なんだけど、最初は警官じゃないと思っていたんだけど、どうやら彼は本
当に警視庁に勤めているらしいの!警視庁の食堂に招待してくれるというので、
期待しているんだけど!」と答えました。
筆者はあくまでも警視庁の食堂にこだわっています。
従業員さんが「警官と知り合ってもろくなことがないぞ。感じが悪い!」とい
うと、店長さんは「でも、彼女は外国人だから、警視庁に知り合いがいた方が
いい。労働許可書とか滞在問題で、フランスで誰にどんな問題を吹っかけられ
るか分かったもんじゃないが、警視庁に知り合いがいれば、いざと言う時に何
とかしてくれるかもしれない」とすぐに言いました。
従業員さんが舌打ちをして、「でもねえ、そいつがナンパで、彼女を口説いて
来て、振られた腹いせに彼女の滞在許可書が打ち切られたら、いったいどうす
るんです?」と言ったので、筆者は笑いました。
「ええっ!それは困るけど、でもそんな事をする馬鹿がいたら、直接警視庁に
出向いていって、文句を言ってやるわ!」
従業員さんは、「こらこら、そんな事言っていないで、君は優雅にショパンで
も弾いていればいいんだ。警視庁なんかヤクザの勤め先だろう!いちいち足を
運ぶところでもないさ」と警視庁の批判を盛んにします。
従業員さんがさらに、「店長!もしも彼女が警官に意地悪されて、労働許可書
に問題が出たら、あなたが彼女と結婚してやればいいんですよ!」というので、
筆者が「それは良い考えね!ついでにお店のピアノを何台でも自宅にタダで持
ち込んでくれれば、毎週違う音色で演奏会をしてあげてもいいわよ!」という
と、みんなで爆笑になりました。
どことなく癖のあるような、しかし軽いような会話を楽しんでの食事が終わり、
筆者は家に戻った翌日、「ちょっと変わった男性だし、面倒があるかなあ。み
んなが言うように、やっぱり警官と知り合いにならないほうが良いのかなあ。
でも、ちょっと面白い感じの人だったなあ」とちょっと迷いながらも、筆者は
男性に電話をしてみました。
後に、この警官は非常に仕事熱心で昼も夜も仕事をしているので、土日は疲れ
て14時過ぎまで寝ていたり、疲労でもうろうとしていた理由も分かったので
すが、この時の筆者は、彼がどのような職場で何をしているのか全く知らなか
ったので、電話口に出て来た男性の、たいへん不機嫌そうな寝ぼけた声に、ち
ょっと驚きました。
「アロ〜?」
向こうの無愛想な声にめげないで、筆者が「こんにちは。昨日電話すると言っ
ていたピアニストの、、、」というと、男性は「えっと、どちら様でしたっけ
?」と相変わらず無愛想。
まあ、いいか、と筆者が思いかかった頃に、突然「あ〜っ!君か、君か!警視
庁の中庭で凄い目立つコートで真ん中を歩いていた人ね!」と男性が大声を出
しました。
どことなくトンチンカンなところが、何となく筆者に似ているようなので、筆
者はひそかに面白い気持ちを持ちました。
さて、男性は「今ちょっと用事があるので、夕方に電話しますね。16時前後
に電話するけど、オッケー?」と言ってきました。
「オッケーです」といって筆者が電話を切ったのですが、17時を過ぎても電
話がきません。
「なんだ、みんなが言っていたようなナンパ氏か」と思って、筆者はピアノを
弾いたりしていたのですが、カフェで会話をしていた時の結構真面目そうな印
象や電話の声から、なにかつじつまの合わない感じを捨てきれませんでした。
「でも、こっちからはもう電話しないぞ!よし、文字メッセージでも送ってか
らお開きにしよう!」と、筆者は携帯電話をとりだしました。
「まあ、電話が来なかったので、わたしはこれから出かけます。ごきげんよう
!」と文字をうつと、筆者は本当にシャワーをあびて出かける用意をはじめま
した。
すると、15分ほどで携帯電話にチン!と文字メッセージが来ました。
例の男性からです。
「うっかり居眠りをしてしまい、電話をしないで失礼した。いまからシャワー
を浴びて、それから失礼したのを謝るためにも、ちょっと食事に誘いたいのだ
が、遅すぎるかな?君さえ良ければ19時過ぎに迎えにいって、それからレス
トランにというのは、どうかな?」
うーん。
とりあえず、「オッケー」とだけメッセージをうってから待っていたところ、
この男性は筆者のアパートの前に車で来たらしく、電話をかけてきました。
筆者がアパートの階段をおりて出口にたどり着くと、のんびりと車の上に手を
のせながら、男性がアパートの外側を眺めていて「なかなか良いアパートだね!
君がこんなところに住んでいるということは、僕とは全然釣り合いがとれない
ほど君は金持ちなのかな?」というので、「お金持ちじゃないですよ。気前の
良い大家さんが家賃を安くしてくれているので、大きな顔をしてブルジョワ地
区に住んでいるだけですよ。どちらかというと貧乏人です」というと、「そう
かい。少し安心したよ。金持ちとは僕は何かと問題があってね」というのです。
なんでもズケズケ喋る人のようです。
お金や金持ちが嫌いで、金持ちとも何かと問題があるようですから、これから
食べに行くレストランはどんなに安くて汚いところ、、、?と筆者は多少心配
しました。
レストランにつくと、多少のお金持ちが行きそうな、清潔でほどほどのお値段
の、しかしとても天井の高い大きなレストランでした。
席に着くと、まるで数十年前からの知り合いでもあるように、すっかり落ち着
いてニコニコしている男性は、「これ食べない?これは?もう一つ?」といっ
てどんどんお皿を注文してしまいました。
「この人は、やたらに食べる人なのかしら?もしかして、ラテン人に多い、食
事の時間がやたらに長くて大変な人なの?わたしは、今日は遅くならないと家
に帰れないほど、たくさんのお皿の山に囲まれて、ここで長い時間を過ごすの
かしらん?」妄想のつよい筆者は目を丸くしました。
男性は筆者の妄想におかまいなく、気軽にテーブルをたつと、「ちょっと手を
洗ってくるね」といって姿を消しました。
エスカルゴだの、見慣れない何とか料理が運ばれてきましたが、男性が戻って
来る気配がありません。
困惑していると、ようやく男性が姿をあらわしましたが、何かが変です。
そうです。
男性の手はぬれていて、やたらに神経質そうに手をあげたままやってくると、
男性はボーイを呼びつけて「手を拭くから真新しいタオルをもってきて!」と
言ったのです。
筆者が何も言わなくても、男性はなにか感じ取ったのでしょう。
「あのねー、トイレは汚いでしょう?使い捨てのペーパーも何となく信用でき
ないし、第一僕はトイレを出る時にドアのノブにも触らないで来たし、水道の
蛇口だって手では回さないで、肘でしめて出て来たんですよ!」
得意そうに語るので、まあ、何かと不潔だと評判のフランス人の中で、こうい
う清潔好きな人もいるんだろうなあ、、、と筆者は思いました。
男性との食事は穏やかで、彼の話は政治経済から身内のごたごた、若い頃に旅
行した時の珍事など、非常にたのしく、思ったよりも早くに食事をおえて、店
を出る事になりました。
さて、車にのると「君の家まで送って行くね」と言うものの、運転中の男性の
目つきがやたらに鋭くてなにか怖いのです!
口数もぐっと減り、黙りがちです。
(さっきまで和やかで楽しい人だったのに。この人の目はなあに?もともと目
が大きくて怖いけど、なんだか、、、)
筆者がそう思っていると、男性はイライラしてきたように舌打ちをして車を止
めました。
そして、あっけにとられている筆者におかまいなく、「ちょっと君、ここで待
っていたまえ!」とでっかい声を出して車をおりてしまったのです。
「はいっ!?」
驚く筆者を残して、男性は道で誰かの車をとめて話し込んでいた警官に近づく
と、その警官と会話をはじめました。
「あの警官の態度が悪かった」と後で言うのですが、どうやら男性は、路上で
不当に威張り散らしていた若い警官を叱り飛ばすために車をおりたようなので
す。
女性とデート中にも、目を光らせて町中を監視する男性、、、。
うーん、彼は本当に警察官なんだろうけど、、、。
車に戻って来た男性は、偉そうに「ごめんね、君!あの警官がカウボーイのよ
うに振る舞っていたので、教育をしてきたんだ。警官は威張ってはいかん!」
と大威張りです。
それから、筆者がなにも聞かないのに、「僕はねえ、警官として非常に誇りを
もっているんだ。僕は自分の仕事が好きなんだ。国の為に働いている!」とや
りはじめました。
楽器店の人達のように、警官なんかとはかかわりたくない、と思っている人が
巷には少なくないようですが、男性はそんなことには全く気づいていないよう
です!
「警察はね、大事な仕事をしているんだ」とやりはじめたので、筆者は「わた
しは警察はあまり好きじゃないわ」と言いました。
男性は大変意外だ!とでも言うように、大きな目をますます大きくするので、
「だって、警察なんて国家の犬みたいなもんでしょう?わたしはどちらかとい
うと、国とか大きな組織とかは嫌いなんです。検察官よりも弁護士、大勢とつ
るんでいる人よりも個人でがんばっている人、庶民のために個人で活動してい
る人の方に親近感がわくんです。
警察なんか汚職もあるだろうし、建前上は良い役割を担当していても、実際に
はへんに威張った人が多いんじゃないのかしら? 国の傘をかぶって!
要するに、国家の犬よ!」と言ってみました。
ある意味、失礼な発言ですが、言いたい放題のフランスでは、本音を語るのも
大事なことで、筆者は臆せずつるつると言ってしまいました。
「警察は国家の犬、、、? うん、そうかもしれん。うーん!」
男性は食事を奢ったというのに、女性から自分の職業をけなされ、しかしそれ
にめげる様子もなく、車を運転し続けています。
食事中とは違い、どことなく厳しい顔でまわりを見ながらの運転で、助手席に
女性がいるという自覚があるのかどうか、、、男性は、まるで一人で車を運転
しているかのような堅苦しい様子なのです。
それもそのはず。
彼は車の運転中は、どうやら「警官として常にまわりを監視」しているような
のです!
その目つき、ドスの利いた運転ぶりは、「彼は生まれついての警察官だ!」と
いった感じを筆者にもたせます。
男性と筆者がその後も何度か会うようになり、車の中からパリを監視?しまく
っているこの男性が、ついには筆者と「映画を見に行く」はずであったのに、
高速道路に車をとめて筆者とのデートを思い切り中断し、若い男性を筆者の目
の前で逮捕してしまうことになるとは、この時の筆者は予想もしていませんで
した。
つづく
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