TRANQUE 第81号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TRANQUE 第81号
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ご購読ありがとうございます。
前号の配信からかなりの日数、というか月日が経ってしまいました。
今回も読んでくださっている皆様、ありがとうございます。
楽しみに待っていてくださった方には本当にすみませんでした。
発行できなかった理由は、仕事が立て込んだり、花粉症がひどかったり、風邪
をひいたり、ちょっとしたごたごたに巻き込まれたり、と色々ですけど、実は
気持ち的に行き詰まっている部分もあって、なかなか書くことができませんで
した。
メルマガをやめたいと思っているわけではありません。
書くこと自体はやめられないと思ってますが、何と言うか、最近、自分の事を
書こうとすると心の力が萎える感じになるのです。
そんな状態なので今後暫くの間は、また発行間隔が長く空くこともあると思い
ますが、これからも長い目で見てお付き合いいただけるとありがたいです。
--
BBSあります→ http://www.geocities.jp/noveltreacle/bbs/
ホームページはここです→ http://www.geocities.jp/noveltreacle/
___________________________________
最近の事
・体調
今年の花粉症は最悪だった。症状が重い、期間は長い、かかった金も多額、
それに他の事にも影響が及んで、何重にも苦しめられた。
外に出る時はゴーグルとマスクをして、薬は飲み薬と目薬と吸引薬を併用して
も、涙とくしゃみは止まるものの頭痛と鼻水は大して治まらず、薬の副作用で
喉が渇いて咳まで出る始末だ。
元々、それ以外のアレルギーを多く持っていたり、頭痛持ちでもあるから、
花粉症だけのせいではないかもしれないけれど、起きているのも辛いような日
が一ケ月以上続いて、仕事も休みがちになり、この季節が益々恐怖になった。
花粉症の薬を幾つも併用している間、アルコールは飲めないし、飲み合わせの
関係で安定剤や鎮静剤も控えなくてはいけないから精神状態が悪くなった時は
もう暴れるしかなかった。
4月の終わり頃ようやく花粉症が終息すると、直後に今度はひどい風邪をひい
て一週間寝込み、折角たっぷり休暇を取っていたゴールデンウィークが潰れ
た。
その後は身体のだるさが続いた。疲れやすく、疲れが取れ難く、何をする気力
も湧かなかった。3月から約二ケ月間も寝てばかりいたせいで筋肉が落ちて
痩せ細って体力が無くなっているのだから当たり前かもしれない。
5月も下旬になって少しは回復してきたが、間もなく一番苦手な湿気と猛暑の
季節がやって来る。過酷だ。
・年譜
「過去の話」を書いていると、途中で色々と昔の記憶が蘇ってくる。嫌な事も
多いが、面白かった事を思い出して楽しくなったりもする。
だが断片的な記憶を繋げてみると、曖昧な部分、勘違いしていた部分、全く
覚えていない部分などが相当有ることに気付く。
加えて、俺は精神的に不安定な時が少なくなかったこともあり、精神状態が
正常でない間の記憶は更に混乱したものになっている。本当に現実に起こった
出来事だったのか、もしかすると夢か幻覚か妄想か何かではなかったか、と
自分であやふやなものは勿論書かないことにしているが、これは明らかに事実
だと確信して書いた事も、後で別の方面から思い出してみると記憶違いが有っ
たことが分かったりする。
メルマガにもこれまで何度か間違いを書いてしまった。
それで最近になって、備忘録を兼ねた年譜を作ることを思い付いた。最初は
穴だらけのものでも、何か思い出した時や思い違いに気付いた時に書き込んで
行ったら、だんだん矛盾無く正しく埋まってくるだろう。
何より自分自身、実際俺はいつ誰と出会い別れたのか、どんな事をしてきた
のか、確かめたい。それによって俺の心の中で何か片付くものが有るかもしれ
ないし、また新たに見えてくるものも有るかもしれないと思うのだ。
・食事
ここ半年ほど、変な食生活になっている。外食や宅配で極端に贅沢するか、
もしくは、カップ麺や菓子パンやシリアルだけで済ます。中間が無い。でも
経済的には釣り合いが取れるし、味覚的には満足感が得られるし、俺的には
ベストな気がしている。
・夢
このところ、何かを直す夢ばかり見る。間違った所を直す。壊れた所を直す。
疲労感は無いが達成感も無く目覚める。俺には直さないといけない所が多い
からそんな夢を見るのだろうか。きっとそうだ。本当に、何もかも直したい。
___________________________________
過去の話
ノリコ
ノリコは、俺が初めて本気で好きになった「女の子」であり、そして今まで
付き合ってきた女性の中で最も愛した人である。
彼女もコハラと同様、俺とは高校二年と三年の時のクラスメイトだった。だが
俺は一年の時から彼女に目をつけていた。俺の友人の一人が、ノリコの彼氏と
中学時代からの友達で、つまり最初は「友達の友達の彼女」としてノリコを
知ったわけだが、俺は一目で彼女を気に入ってしまったのだった。あまりの
可愛らしさに衝撃を受けたのである。
その可愛さというのは、俺好みの、と言うか俺だけが感じ取れる、俺にしか
分からないに違いない、と俺には思える種類のものであった。ノリコは決して
美人ではなく、可愛いと評判になるような顔でもなく、寧ろ周りからは野暮っ
たいと言われていたくらいの子だったからだ。けれども俺には彼女の全てが
魅力的に映った。何処か近寄り難いほど可憐なその姿を見かけるだけで俺は
ドキドキした。更にその声まで聞けた時には胸が苦しくさえなった。ちょっと
舌足らずな感じの喋り方が耳に心地好いだけでなく、その高い声自体に、俺を
嬉しくさせる何か独特な波長のようなものが有った。彼女の教室の方へ行った
時などにたまたま彼女と口をきくことができたりすると、それは大抵たわいの
ない二言三言の遣り取りに過ぎないのだが、俺は緊張と歓喜でのぼせ上がった
ものだった。
しかし自分で言うのも何だが、彼女の方も少しは俺に好意を持っていたのでは
ないかと思う。はにかんだ笑顔と柔らかい仕草で、いつも俺にとても優しく
接してくれていたから。
とは言うものの、俺はノリコを抱きたいとか、自分の恋人にしたいとか、そう
いう気持ちは全く無かった。俺自身が女に興味が無いからとかそんな次元の話
ではなく、俺から見るとノリコは、俺の手が届く筈のない別世界の存在だった
のだ。彼女は正に俺の「アイドル」であった。
俺はノリコが誰と付き合っていようが構わなかった。彼女に対する俺の気持ち
とは関係の無い事だからだ。彼女からの見返りを望まず一方的に想いを寄せて
いるだけである以上、何も変わるわけはなかった。
しかしながら、月日が経ちノリコと少しばかり親しくなって、彼女も「人間」
であり「女」であることが分かってきた頃(それでも「アイドル」には違いな
かったが)、ノリコがずっと同じ彼氏と付き合い続けていることについて、
つい俗っぽく「彼女はこの男の何処がいいんだろう」などと一時思ってしまっ
たことがあった。と言うのも、彼は(当時)ニキビ面でハンサムでもなく、
ずんぐりした体型で足も短く、外見はあまりカッコ良いとは言えない男だった
からだ。
尤も、その疑問は間もなく解けた。二年に進級した時、俺はノリコと、そして
ノリコの彼氏とも同じクラスになったのだが、知り合ってすぐに、この男が実
は俺なんかが太刀打ちできないくらい「いいヤツ」であったことに気付かされ
たのだ。俺は先ず彼の優しさに驚いた。表面的にも人当たりが良いがそれだけ
でなく、その人の為と思えば厳しい事も言ってあげられる思いやりが有った。
俺が知る限り、彼は感情的に怒ったり怒鳴ったりしたことは一度も無く、誰と
でも本当に感じの良い笑顔で話をしていた。また彼は、同じ歳とは思えない
ほど大人だった。我を通したりは決してせず、常に人の事ばかり親身になって
考えていた。冷静で、且つ心が温かく、真面目だが、ひょうきんな所も有り、
周りを楽しくさせる「みんなのお兄さん」といった感じの人物であった。
それで俺は、ノリコが本当は彼の何処を気に入っているのかは俺の知るところ
ではないにしろ、彼の人間性を見れば人に愛されるのも納得できたし、彼の
ような男を恋人に選んだノリコ、彼を射止めたノリコに、惚れ直しもしたの
だった。
ただ、俺は彼らの付き合う様子を見ていて、一方、彼はノリコをどう思って
いるのだろう、と考えてしまう時があった。無論、好きだということ、可愛い
と思っていることは分かる。けれども、俺が知っている彼女の魅力、神々しい
ほどの光を放ちながら内側から滲み出ているものを、彼は感じ取っていない
ように見受けられた。彼女が如何に並外れた本物の美しさを具えた人である
か、彼は分かっているのだろうかと、余計なお世話だが俺は気に掛かったので
ある。
もしかすると、彼よりも俺の方がノリコのことをもっと愛しているのだ、と
思いたかっただけなのかもしれない。二人がどんな関係を築くか、俺が考える
必要は無いということ、二人の間には俺の知らない事がたくさん有るという
こと、それと、きっと彼にも、彼にしか見えないノリコがいるのだろうという
ことも、頭では分かっていたから。
ノリコに惚れ込んだ俺はとにかく彼女とより親密になりたい、彼女の傍にいた
いと思った。だが、数少ないチャンスをなるべく逃さないようにして近付き、
話しかけ、どうにか「友達」と言える程度の間柄になるまでには然程月日を
要しなかったものの、その先へはなかなか進めずにいた。
この段階では、同級生達は皆、またノリコ本人も、彼女への俺の恋心に気付い
ていなかったと思う。俺の態度は彼女に対しても他の者に対しても同じにしか
見えなかったろうし、そもそも俺とコハラができていると思っている者が多
かったろうからだ。実際は、コハラにはちょっと話したことがあったのだが、
彼はまともに聞いてはいなかった。俺が彼の誘惑を牽制する為に女子の誰かを
好きだと言っている、とでも思ったのかもしれない。
しかし俺の中では着実に、ノリコを想う気持ちは大きくなって行った。それま
での女友達、否、男友達を含めても、誰にも向けたことのない感情だった。
これが、プラトニックではあるけれど明らかに恋愛感情である、ということ
は、この後徐々に自分で分かってくる。
俺とノリコの仲が急激に進展し始め、コハラが俺の本心にようやく気付いてく
れ、周辺の人間関係にも色々と変化が起きてきたのは、三年の一学期の終わり
頃のことだったと思う。
--- 次号に続く
___________________________________
お便り募集
このメルマガや発行者への意見、感想、批判、苦情、質問、リクエストのほか
読者の方ご自身の体験談、主張したい事、愚痴など、何でもお寄せください。
誌上にて紹介させていただく場合がありますので、お名前はペンネームかハン
ドルネーム、または匿名でお送りください。お待ちしています。
メールで送信、もしくは↓へ書き込みをお願いします。
http://www.geocities.jp/noveltreacle/bbs/index.html
___________________________________
登録と解除
当メールマガジンは、下記いずれかのシステムにより配信されています。
まぐまぐ! ...... http://www.mag2.com/m/0000103490.htm
melma! ......... http://www.melma.com/backnumber_153538/
メルマガ天国 ... http://melten.com/m/17193.html
↓こちらでも購読申込/解除できます
http://www.geocities.jp/madsmartaleck/mm.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
TRANQUE 第81号 2008/05/24配信(毎月1〜2回発行)
発行者:佐藤充範 noveltreacle@gmail.com
ホームページ: http://www.geocities.jp/noveltreacle/
Copyright 2003-2008 Mitsunori Satoh All Rights Reserved. *禁無断転載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
|