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サッカーを読む(フットボール書評) (ID:21039)
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ナチスに虐殺された選手。常勝チームに挑む盲目の少年。目も耳も不自由な
観客。そんな逸話溢れる名著や芸能人の翻訳絵本から緻密で重厚な学術書ま
で、あらゆるサッカー本書評。ワールドカップ関連本多数掲載。相互紹介
◎。
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第119号 2007/11/12 17:00:0022
 
第120号 2007/11/19 16:00:4422
 
第121号 2007/11/26 16:00:4922
 
第122号 2007/12/03 18:00:0021
 
第123号 2008/02/11 15:00:0521
 
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第125号 2008/02/25 15:00:0021
 
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第128号 2008/04/07 15:00:0022
 
 
バックナンバー 最新号
第128号 2008/04/07 15:00:00 発行
 
[サッカーを読む第126号:ぼくのプレミア・ライフ]
 




━━━━━━━━━━━━━━━━◎第 126号━━2008/4/7━━
 サッカーを読む(フットボール書評)review football books        
 ────────────────────────────
 ☆目次
  ○ お詫び
  ○ 今日の本
  『ぼくのプレミア・ライフ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4102202129/soccerreview-22
  【あいさつ】
  【書評】
  【編集後記】
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 ----------------------------------------------------------
 サイト → http://www7a.biglobe.ne.jp/~soccer_review
 ブログ → http://ameblo.jp/review-football-books/ 
          ↑更新しました
       http://tagawamasaharu.seesaa.net/
          ↑更新しました
 ----------------------------------------------------------


  ○ お詫び

  およそ一ヶ月ぶりの発行となってしまいました。

  読者の皆様、申し訳ありませんでした。





  ○ 今日の本

  書籍名 :ぼくのプレミア・ライフ
  著者  :ニック・ホーンビィ
  出版社名:新潮社
  出版年月:平成十二年三月一日(文庫版)
  




 【あいさつ】

  最近、民放テレビ局の深夜番組を、毎日のように録画して、後
 日まとめて見る、という生活パターンが定着しつつあります。

  特に、ヨーロッパのフットボール界は、めまぐるしいですね。

  事件やトピックスももちろんなのですが、毎年必ず行われる、
 各国リーグやカップ戦の結果だけでも、驚きの連続ですよね。

  以前、このメルマガで取り上げた、昔の日本代表監督の本には、
 選手の移籍が活発になって、クラブの資金力の格差が広がると、
 リーグ上位や欧州CLは、同じような顔ぶれになって、変わるの
 はスター選手だけ、みたいなことが書いてありましたが、そんな
 ことはないんじゃないかな。

  驚き、といえば、例えば、アーセナル。

  シーズン開幕直後は、若い力が爆発して快進撃。

  その後、欧州CLのリーグ戦でも、順当勝ちぬけ。

  さらに、ミランを撃破(しかもアウェー!)とは…

  ところが、FAカップでは、準々決勝を前にして、敗退。

  国内でマンUに負けたり、サンシーロでミランを破ったりして
 いた頃に、電車の中で私が読んでいたのが、じつはこの本だった
 のです。









 【書評】

  原題は、『 FEVER PITCH 』である。

  本書に描かれている年代は、1960年代末ごろから、ちょうど現
 在のプレミアシップが始まる直前までである。

  正直言って、いったい何のどこが『プレミア・ライフ』なのだ
 ろうか、『プレミア・ライフ』とは、どんな意味を持つ言葉だっ
 ただろうか、などと意地悪な邪推を少しばかりしてしまった。

  べつに翻訳にケチをつけるつもりはまったくない。
  原著に Football とか Fussball あるいは Futebal などとあ
 るのにもかかわらず、なんのためらいもなく無分別に“サッカー”
 と平然と書いてしまう翻訳者が少なからず存在する我が国の出版
 界の現状に比べれば、本書の翻訳者は、それこそ著者の息遣いま
 で伝えようとするような最新の注意を払って一言一句誠心誠意翻
 訳しているのがわかる。

  ちなみに著者のベストセラー小説(本書は小説ではなく自伝的
 随筆とでも言おうか)を手がけている、本書の翻訳者は、あとが
 きでこのように述べている。

 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ちょっとここで、イングランドのフットボールについて書いて
 おきたい。「サッカー」という言葉は、イギリスではほとんど使
 われることがない。アメリカン・フットボールのファンには申し
 訳ないが、イギリスでは「フットボールといえばコレしかないで
 しょ」という感じなのだろう。本書でも「フットボール」という
 言葉にこだわりがもたれているようなので、基本的にはこの言葉
 で通した。
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

  私がなぜ本書の題名についてここまで述べたかというと、もし
 本書の題名を見て、Jリーグ開幕前後からのサッカー事情しか知
 らないファンが、かつて名古屋でも指揮を取っていた名将ベンゲ
 ルが監督に就任してから飛躍的にビッグ・クラブとなったアーセ
 ナルについて書かれているのかと勘違いしてしまわないだろうか、
 などと余計な老婆心を持ってしまったためである。


  本書を読めば、今はイングランドのプレミア・リーグの“ビッ
 グ4”などと日本のマスメディアに称されているビッグ・クラブ
 のアーセナルも、じつはその昔、今ほどは(もちろん昔から人気
 クラブではあるのだが)ビッグではなく、時代によっては、近隣
 のスパーズ(トッテナム・ホットスパー。日本のファンにとって
 は、かつてアルディレスがプレーしていたことなどから知られて
 いる)や、さらにはウェストハム・ユナイテッド(イングランド
 がW杯地元優勝した頃は、ヨーロッパでも強豪のチームだった)
 などロンドンの諸クラブの後塵を拝していた頃もあったことがわ
 かる。

  今でこそ、多くのサッカー・ファンにとって、ビッグ・クラブ
 といえども、栄枯盛衰があるということはいろいろと知られてい
 ることではあるのだが、実際に三十年近くも辛抱強く忍耐強くひ
 たすらクラブへの無償の愛を注ぎ続ける著者の姿は、いったいな
 んと言えばよいのか、私には言葉が見つからない。


  私が本書に圧倒されるのは、単にその分量だけではない。

  これは、まるで自伝なのではないか、と思えるほどに、サポー
 ターとしての著者の軌跡と、その著者自身の心身の成長の過程が、
 息遣いが聞こえるほどまでに生臭くも繊細に描かれている。

  今、私は、生臭くも繊細に、とヘンな言い回しをしてしまった
 が、それは、遠く離れた土地に住む一読者の私でさえも、思わず
 ありありとその情景が目に浮かぶ、または複雑な心境が我が身に
 沁みるようにわかるからである。

  屈強な敵サポーターに遭遇した時の恐怖。愛する人や住みなれ
 た土地との別離。栄光と挫折。憂鬱と興奮。

  特に、繊細と感じたのは、例えば、イングランドが欧州フット
 ボール界から追放された(85年のヘイゼルの悲劇。ベルギーで
 行われたヨーロッパ・チャンピオンズ・カップ決勝で、リバプー
 ルのサポーターがユベントス・サポーターの座席の方に押し寄せ
 て、大勢のイタリア人がフェンス際で圧死)当時の、イングラン
 ドのスタジアムの微妙な雰囲気の変化を、端的ながら的確に表現
 しているところなどである。


  結局、私は本書を読み終えて、サポーターの、クラブへの無限
 の、無償の愛情がどういうものであるのか、わかったようでいて
 わからないし、わからないまでもなんとなく理解したような、漠
 然とした状況でいる。

  結局、好きになることに理由などないのかもしれないし、ある
 いは本人にしかわからない何かが明確に存在するのかもしれない。

  おそらく、本書は、読んだ人の数だけ、読んだ人にとって、何
 かが見えてくる、そんな深みのある作品なのだろう。







 【編集後記】

  はっきり言って、一気に読めませんでした。

  いろんな意味で、面白い本なんですけど、なにせ文量が多い。

  いろんな意味で面白い、というのはですね、例えば、あまり
 イギリスについて詳しくない人が読めば、なんとなく向こうの
 生活の雰囲気が(例えば足立・葛飾あたりと杉並・世田谷あた
 りではなんとなく違うなぁ、って感じかな、私はうまく説明で
 きないが)少しは感じることができたりすることかな。

  あるいは、クラブや代表についての新たな知識を得られるこ
 とや再確認ができること。

  あるいは、サッカーとはあまり関係ないかもしれないが、人
 間の成長過程におけるさまざまな経験と内的葛藤についてとか。

  著者は聖人君子でもスーパーマンでもなんでもなくて、おそ
 らく世界中に、それこそそこいらにいそうなスポーツ好き(そ
 れもハンパではない)の、ちょっとだらしないオヤジかもしれ
 ない。しかし、それなのに、いや、それだからこそなのか、妙
 に見入ってしまうんですよ、この本は。

  英国で百万部以上売れたのは、内容もさることながら、その
 親近感もあるのかもしれない(我々日本人と違って、自分たち
 のことを書いているようなものですからね、英国人してみれば)。








  ≪文中敬称略≫







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 ◇メルマガ名
   〜サッカーを読む(フットボール書評)〜
 ◇発行周期
   月(週1回発行)
 ◇発行者
   田川正治
 ◇『サッカーを読む』ホームページ
   → http://www7a.biglobe.ne.jp/~soccer_review
 ◇連絡先(メール)ご意見・ご感想はこちら
   → review@soccer.biglobe.ne.jp

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アンケート結果



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