[大人の常識講座 第10号 No.11 2008/04/08]
古来からの日本の知恵や常識を伝授、大人の品格力をアップする
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今回も年中行事のルーツを書きました。
前回は7月7日の七夕まで書きましたが、今回はその後半、9月から
書いてみましょう。
「9月9日は縁起がいい?」
毎年、秋が深まると、各地で菊の品評会や菊人形などが開催されますが
これらの行事は、旧暦の9月9日におKなわれた「重陽の節句」に関係し
ます。
天武天皇の時代から、この日には節会が催されました。
この会には、酒に菊の花を浸した菊花酒を飲んだり、「菊花の宴」が行わ
ていました。
そもそも奇数はおめでたい数字とされていましたが、9月9日は、奇数の
最大の数字が重なるので「重陽の日」と言って、縁起のいい日とされていま
した。
そこで、この日に丘に登り、菊花酒を飲み、厄を払うというしきたりが生
まれました。
なぜ菊か、というと、中国では菊の花は、古来、不老長寿の霊草と信じら
れていたのです。
菊は上品な上に薬効もあり、中国では菊花酒を飲んで800歳まで生きた
人の伝説などがあるのです。
それが、日本に風習とともに伝わり、やがて菊の花は改良されて鑑賞用が
生まれ、貴族たちに好まれました。
江戸時代になると、「重陽」の日は公式に定められました。
この日には、幕府が諸大名を登城させて祝うなど、大々的になったのです。
明治以後は、これが廃れました。
新暦に移行したため、9月9日が菊の咲く時期では無くなったからでしょう。
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「暦行事ではないのですが、妊婦が「戌の日」に腹巻を締めるのはなぜ?」
妊婦が5ヶ月目に入った最初の戌の日に、「岩田帯」と呼ばれるさらし布を
腹に巻いて安産を願うのが「帯祝い」といいます。
このさらし布は、あらかじめ妊婦の実家から贈っておき、当日、夫婦の両親
や仲人、子供に恵まれた夫婦にも立ち会ってもらいます。
その夫婦に「帯親」になってもらい、妊婦に岩田帯をつけてもらうのです。
それが済むと全員で祝い善を囲み、お祝いするのがしきたりです。
これは、単に安産祈願という信仰的意味ではないのです。
帯を巻くことで胎児を安定させる効果や、腰痛や冷えを妊婦から守る効果、
動作を楽にする、等の効果があるのです。
戌の日にしたのは、犬が安産で多産であるので、これにあやかりたい、と
いう意味です。
昔はお産は命がけの大仕事だったのです。 、
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「七五三の由来」
三歳になった男女、5歳の男の子、七歳の女の子が両親に連れられて神社
へ行き、お祓いをしてもらう七五三、成長の節目を祝う行事の一つです。
七・五・三は奇数を縁起の良い数字と考える中国の考えに由来します。
この祝い事は武家階級か、裕福な町人の家庭で行われ、一般庶民で行われ
るようになったのは、明治時代に入ってからのことです。
その時代、三歳の子は「髪置き」といって、髪型を赤ちゃん形から子供
形にに結い上げる儀式でした。
五歳の男子は、「袴着」といって、初めて袴をつけさせる日でした。
七歳の女子は初めて帯を結ぶ儀式で、子供の着物から大人の着物に着替え
るお祝いでした。
これは平安時代に貴族の間で行われ、江戸時代に将軍家がこれを武家の通
過儀礼として行うようになったのです。
「これが11月15日」になったわけは?
はじめは特定の日はなく、正月などの祝い事の日に、ついでに行ったので
すが、五代将軍、綱吉の跡取りである徳松の「髪置き」の祝いを天和元年の
(1681年)11月15日に行って以来、この日に行うことになったのです。
七・五・三で合計15になるので、15日にしたなどの俗説もあります。
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「冬至とゆず湯の関係は?」
冬至はい年中で一番日照時間の短い日です。実際の寒さはもっと先になり
ますが、これから少しずつ日が伸びていきます。
これを「一陽来復」といいました。例年12月22〜23日です。
日本以外でもこの日を太陽のパワーの復活する日として祝う風習はありま
す。
日本では、冬至の日に小豆がゆや、こんにゃく、かぼちゃを食べて柚子湯
に入り、無病息災を願う習慣があります。
小豆がゆはその赤色が邪気を払うとされており、こんにゃくは腸の掃除を
すると昔から言われてきました。
かぼちゃは風邪の予防に役立つというのです。
柚子湯は、端午の節句の菖蒲湯と同じで、邪気を祓うみそぎの意味です。
柚子には薬効もあり、風邪の予防にもなるということです。
さらに、柚子は融通とにており、金の融通が利くとの意味、さらに黄色
が、黄金色に似ているなど、金回りを良くすると言われたのです。
この融通説は、商人の考えでしょうね。
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「除夜の鐘の由来」
どうして108打つのか? 仏教では、人間は108の煩悩があるとされ
ています。
そこから、大晦日には108の鐘を突き、その音を聞いた人は、この煩悩
から開放されるという考えが生まれたのです。
大晦日に撞く鐘のイボは108個だそうです。
しかし、異説もあります。
108の鐘を撞くのは、中国・北魏時代から、北魏の都・洛陽では朝、晩
にそれぞれ108の鐘を撞いていたのです。
朝の鐘は目を覚ますために、晩の鐘は心の憂いを払うためで、煩悩の数を
表したものではなかったのです。
108回撞く訳の一つは、過去・現在・未来の心の有り様を合わせた、と
言う説があります。
出家者には、6つの喜び、6つの平静、6つの憂いがあり、出家で無い者
にも同様にあるので、6X3X2で36、心の有り様は、過去、現在、未来
と3つあるので36X3で108回という説です。
もう一つは暦との関係の説です。
1年は12ヶ月、24節気、5日を一候とする七二候で構成されていると
いうい年を構成する数字を合計すると「108」となる。
除夜の鐘は1年を意味している、というのです。
何時から撞き始めるのか、というと、今では午前0時からです。
ただし、旧年と新年にまたがるべきとの考えで旧年に107撞き、1回は
新年に撞く、など様々です。
ただし、撞き方は決まっているのです。弱く、強く交互に撞くのです。
弱く54回、強く54回撞くことになります。
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以上で大まかに1年の年中行事のルーツを終わります。
次回は、暮らしの中にある人々の知恵を書きましょう。
発 行 者 名 s-shibatani-58
問い合わせ先 s-shibatani-58@nifmail.jp
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